「嘘をついてはいけない」ということは誰でもが知っている。知ってはいるが、これは本当には実践することの不可能な真理なのだ。「宿題、ちゃんとしたの?」と聞かれて「うん、したよ」と答えたら、 宿題を隅(すみ)から隅までちゃんとしたということになる。しかし母親が点検したら、「ちゃんとできていない」ところがあった。そうすると母親はこう言うのである。「ウソをつくんじゃないよ」と。
しかしある年代に入ると、私たちは心で思うことと、それを実行することは同一にはゆかないことがわかってくる。口で言うことと実際にできることの間には常(つね)にずれがあるし、Aすると言ってBしかできないことなどいっぱいある。それでも、①それを敢(あ)えて「 ( ② ) 」とは言わない。もしこうした「ウソ」を自分に認めてあげなければ、実現できそうにもない自分を、(注1)あたかもできるかのように演出し続けな ければならなくなり、結果的にもっと大きな嘘をつく自分を創り出す(注2)はめになるのである。
(村瀬学『なぜ大人になれないのか』<洋泉社>より)
(注1)あたかも:まるで~ように
(注2)はめになる:よくない境遇になる
选项:
A: 心で思うことを実行すること。
B: 私たちが心で思うこと。
C: Aすると言ってBしかできないこと。
D: 実際には実現できいないこと。
A: 嘘は许されない
B: 嘘をついた
C: 嘘をついていない
D: 嘘は必要だ
发布时间:2024-06-13 09:42:15