ぼくはいつも思うのだが.視覚にとらえたものをただ単に描いても.決して絵画にはならない.視覚のかなた(注1)にかくされているものをとらえて.それを画面に定着させたとき.はじめて絵画が誕生する.絵画とは目の前の自然を心のなかに消化し.それをもう一度吐きだす作業によって生まれるのだ.そうすることによってはじめて普遍的な(注2)美の世界が出現するのだと思う.だから芸術というものは.理屈(注3)では解決できないものなのだ.理屈を超えたところに本当の美がある.(石本正『絵をかくよろこび』による)(注1)かなた:向こう(注2)普遍的な:広くすべてのものに共通して見られる(注3)理屈:論理的な説明59筆者が考える絵画とはどのようなものか
发布时间:2024-03-26 01:48:23